ひな祭り

戦禍を生き抜いた亡き母が、命のリレーとして、ひ孫たちの幸福と平和への祈りを込めて最期に贈ってくれたお雛様。今年も大切に飾りました。

このお雛様を囲みながら、家族で春を迎えるひとときは、何とも言えない温かな気持ちに包まれます。母がどのような思いでこのお雛様を選び、未来の子どもたちに託したのかを思うと、その願いの重みが静かに胸に迫ってきます。

なかでも、3番目の孫は、この春4月から小学校に入学します。小さな手でランドセルを背負い、新しい世界へ歩み出していく姿を思い浮かべると、家族としても大きな喜びを感じずにはいられません。

「禍福はあざなえる縄のごとし」と申します。人生には山もあれば谷もあります。しかし、どのような時代であっても、子どもたちだけは戦禍に巻き込まれることのない世界であってほしい――それが祖母から受け継いだ切なる願いでもあります。

戦争は、多くの人々の命と日常を奪い、未来を担う子どもたちの夢さえも踏みにじってしまいます。だからこそ、平和の尊さを忘れることなく、次の世代へと伝えていかなければならないのだと、ひな祭りの節句にあらためて感じました。

お雛様は、子どもたちの健やかな成長を願う日本の美しい文化ですが、その奥には「平和な世の中であってこそ子どもは育つ」という、深い祈りが込められているようにも思えます。

写真の桃の花は、赤磐市で撮影したものです。春の光の中でやさしく咲く桃の花を眺めながら、子どもたちの未来が、どうか穏やかで平和なものでありますようにと、静かに願うひな祭りとなりました。

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