政策研究大学院大学にて、2月16日は、終日企画会議でした。議論の続く一日ではありましたが、最寄りが乃木坂駅ということもあり、昼休みの時間を利用して、はじめて乃木神社に参拝いたしました。
乃木神社は、明治の軍人として知られる乃木希典大将と、その夫人である乃木静子夫人をお祀りした神社です。大正元年、明治天皇の崩御に際し、乃木大将ご夫妻が殉死された旧邸の地に創建されたもので、いわば近代日本の歴史を静かに物語る場所でもあります。
乃木希典という人物は、日露戦争の旅順攻略戦で指揮を執った軍人として知られていますが、質素な生活と厳格な人格でも広く尊敬を集めた人物でした。現在の境内には、当時の邸宅跡の面影が残されており、なかでも愛馬を飼っていた厩舎が大切に保存されています。都心の真ん中に、明治の生活の気配を感じさせる遺構が残されていることに、しばし足を止めて見入ってしまいました。
境内は整えられた庭木に囲まれ、外の喧騒とは別世界のような静けさが漂っています。東京という都市は、絶えず変化を続ける街ではありますが、その中にあって、このように歴史の記憶を静かにとどめる場所があることに、あらためて心を動かされました。
昨日は、春を思わせるようなポカポカ陽気でしたが、今日は夕方から次第に空模様も下り坂となりました。
季節は、まさに三寒四温。寒さと暖かさが行きつ戻りつしながら、春は少しずつ近づいてくるのでしょう。
忙しい会議の合間の、ほんの短い参拝ではありましたが、明治という時代の記憶に触れ、また季節の移ろいを感じる、静かな時間となりました。
都心の地下鉄の駅から数分歩くだけで、こうした歴史の空気に触れられる場所がある。東京という都市の奥深さを、あらためて感じたひとときでもありました。
そして境内を後にしながら、ふと思いました。
歴史とは遠い過去にあるものではなく、こうした静かな場所で、今もなお私たちの足元に息づいているのかもしれないと感じた都心でのひとときでありました。
