新庄村の暮らしの未来を考える

朝晩は冷えるようになりましたが、空は澄み、金木犀が薫る季節となりました。10月2日、朝から北へ車を走らせ、真庭市の材木市場があるJR姫新線の月田駅前で一旦駐車させて頂きオンライン会議に参加、それを終えて新庄村へ向かいました。この日は、がいせん桜通りグランドデザイン委員会に出席し、条例案に伴う施行規則について検討いたしました。

村のこれからのがいせん桜通りの景観維持のためには、将来の姿を描くデザインと、それを実際に動かすための細かなルールや仕組みを整える必要があります。条例に込める思いを、日々の運用にどうつなげていくか。こうした一つひとつの検討も、地域の暮らしを支える大切な作業なのです。

今回は、営業を終えた旧佐々木商店の再生についても、私見をプレゼンテーションさせていただきました。がいせん桜通りのグランドデザインを考える中で、この場所を、村の皆さまの暮らしにどう生かしていけるかという提案です。

地域の商店には、食品や日用品を買う場所としての役割に加え、顔を合わせ、近況を話し、ちょっとした相談をする場としての役割があります。買い物に出かけることが、その日の会話や外出のきっかけになる方もおられるでしょう。お店が閉まることで失われるものは、日々の暮らしのさまざまなところに及びます。

そこで考えたのが、買い物、見守り、交流を支える「新庄むらの暮らしステーション」という、小さな生活拠点の構想です。例えば、週に何日かは人が店に立ち、食品や日用品を販売する。電話や注文票でも注文を受け付け、来店が難しい方には、決まった日に商品を届ける。配達の際には声を掛け、暮らしの様子にも気を配る。店先にはひと休みできる場所を設け、お茶を飲みながら話ができる。そうした幾つかの機能を、無理のない規模で組み合わせてはどうかと考えています。

道の駅との連携も重要です。仕入れや在庫、商品供給などで協力し、道の駅と旧佐々木商店が、それぞれの場所で役割を果たせるようにする。村の方の日常的な買い物を支えながら、がいせん桜通りを訪れる方にも、地元の産品や休憩の場を提供できれば、暮らしと観光が自然につながっていきます。

もちろん、これは現段階での私の提案です。実現に向けては、村の皆さまがどのような買い物に困り、何を必要としているのかを丁寧に伺い、運営する人や費用、既存のお店や施設との関係を確かめる必要があります。最初から多くの設備や商品をそろえるのではなく、小さく始め、利用状況を見ながら工夫を重ねていくことが大切だと思います。

また、運営を一人の頑張りだけに頼らない仕組みも考えたいところです。短時間なら働ける方、商品づくりに関われる方、配送や交流の場づくりを手伝える方。それぞれができることを持ち寄り、使う側も買い支えることで、続けられる拠点を育てていければと願っています。また、がいせん桜通りのグランドデザインも、そこに暮らす人の日常を大切にしながら考えていく必要があるのです。春の桜を楽しみに訪れる方を迎えるとともに、一年を通じて、村の方が歩き、買い物をし、顔を合わせる通りであってほしい。古い建物や街並みに、新しい使い方が少しずつ加わることで、受け継がれてきた風景にも、次の時代の暮らしが息づいていくのだと思います。

さて、考える仕事にも腹ごしらえは欠かせません。道の駅では、ひめのもちが三つ入った「牛もち」をいただきました。しっかり満腹です。村の未来を考えながら、まずは村のおいしいものに元気をいただきました。帰りには、新庄村産のシイタケ、ピーマン、しし唐などの野菜に、ひめのもちも買い求めました。家へ帰ってからも新庄村の味を楽しめる、うれしいお土産です。地域のお店や道の駅で買い物をすることは、そこで作り、働く方々の営みに触れることでもあります。小さな買い物ですが、こうした日々のやり取りが続くことの大切さを、商店の再生を考えた今日は、いつも以上に感じました。

澄んだ空気、金木犀の香り、山里の食の恵み。新庄村には、季節の移ろいをゆっくり感じられる時間があります。

「日本で最も美しい村」連合に加盟する、メルヘンの村、新庄村へ。桜の季節はもちろん、秋の村にも、ぜひお越しくださいませ。がいせん桜通りを歩き、道の駅でひと息ついて、村のおいしいものを味わっていただければ幸いです。

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