醤油の香りから始まる地域再生 ―創業120年を超える鷹取醤油で、経営と備前の未来を語る―

備前市で進めている公共施設マネジメントの打ち合わせを終えた後、創業120年を超える老舗、鷹取醤油さんへ参上いたしました。

私が備前市でお手伝いしている公共施設マネジメントは、単に古い建物を残すか、廃止するかを決める仕事ではありません。

学校、公民館、市民会館、図書館、スポーツ施設などが担ってきた機能を、将来世代へどのように引き継いでいくのか。そのために、地域産業、公共交通、福祉、教育、防災、観光などを結び付け、「施設をどう残すか」から「地域をどう残すか」へと議論を広げる取り組みです。その実現には、市民、行政、議会だけでなく、地域経済を支える企業や経済界の皆さんの参加が欠かせません。そこで今回、鷹取社長にお時間をいただき、備前市の再生に向けた「経営と地域創生談義」となりました。

鷹取醤油は、1905年に創業した備前を代表する老舗企業です。120年を超える歳月にわたり、醤油づくりを通じて地域の食文化と暮らしを支えてきました。まさに、備前の、そして「おかやまの宝」と呼ぶにふさわしい企業です。地域に長く根を張る企業には、行政とは異なる力があります。雇用を生み、人を育て、技術や信用を蓄積し、取引先や地域内外とのネットワークを築く力です。さらに、地域の素材や食文化を新しい商品へと生まれ変わらせ、その魅力を全国へ発信することもできます。

鷹取社長には、備前市の将来を考える場へ、地域の企業や経済界の皆さんにも参加を呼びかけていただけないかとお願いしました。鷹取社長からは、直ぐに備前ロータリークラブでの話題提供の時間をセットしてくれました。公共施設を再編して建物を整えるだけでは、地域は元気になりません。そこで働く人、集う人、新しい事業を始める人がいて、初めて施設に命が吹き込まれます。備前焼、耐火物、海運、漁業、農業、観光、そして醤油づくり。備前市には、それぞれの分野で長年培われてきた技術、人材、信用、物語があります。これらを公共施設や交通、教育、人材育成と結び付けることができれば、公共施設マネジメントは、単なる経費削減ではなく、新しい地域価値を生み出す政策へと進化します。

鷹取社長とのお話から、地域再生には「行政が企業に協力を求める」という一方向の関係ではなく、行政、市民、企業がそれぞれの強みを持ち寄る共創の仕組みが必要であると、改めて勉強させていただきました。そして帰り際、思いがけない、うれしいお土産を頂戴しました。新作のカップ麺「ニュータッチ 凄麺 岡山中華そば」です。しかも一つではありません。鷹取社長から、なんと五つも拝領いたしました。この「岡山中華そば」は、岡山市を中心に古くから親しまれてきた鶏ベースの中華そばを再現したもので、鷹取醤油のこいくち醤油が使われています。醤油のキレと鶏の旨味が調和した、シンプルでありながら奥深いスープが特徴です。2026年2月に発売され、全国のスーパーなどでも販売されており、鷹取社長によれば、既に40万食の販売実績だそうです。

岡山には、麺酒「一照庵」の鶏の旨味と醤油を生かした中華そばをはじめ、土地の味を磨き上げる店があります。一照庵の屋号は「一隅を照らす」という言葉に由来し、「岡山に灯す一杯」を目指しているそうです。

老舗醤油蔵の味と、岡山の中華そば文化が一つのカップに納まって、全国へ届けられる。これは単なる新商品の発売ではありません。地域の伝統を守りながら、現代の暮らしに合う形へ進化させる、立派な地域創生の取り組みです。早速、岡山の自宅でいただきました。蓋を開けたときから醤油の香りが立ち、スープを一口含むと、鶏の旨味と鷹取醤油の深い味わいが広がります。麺との相性も良く、思わず最後までスープを味わいたくなる、うまい一杯でした。五つもいただきましたので、まだ楽しみは続きます(笑)。

備前市の未来について真剣に語り合い、その帰りには、岡山の味が詰まった中華そばを抱えて帰る。何ともありがたく、幸せな一日となりました。

幸せ、幸せ、岡山ライフです。

地域再生は、大きな計画だけで始まるのではありません。地元の醤油が香る一杯の中にも、まちの未来は確かに息づいています。

 


■関連リンク

鷹取醤油公式サイト

鷹取醤油の商品紹介

麺酒 一照庵公式サイト

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