国立で読み聞かせの会をされている妻の友人を、吉祥寺の絵本専門店「緑のゆび」さんへご案内しました。
吉祥寺の中道通りにある「緑のゆび」は、絵本や児童文学に長く携わってこられた方々が、一冊一冊を選んで並べるお店です。絵本や児童書に加えて、暮らしを豊かにする道具も紹介され、読み聞かせ会や読書会など、本を通じて人が集う活動も大切にされています。井の頭公園からもほど近く、街歩きの途中に立ち寄りたくなる場所です。
今回は、玉越さんと語らいの時間を過ごしました。本のある場所で、本を愛する方々とお話しできるのは、何とも嬉しいものです。読み聞かせを続けている方をご案内できたことで、人と本を結ぶご縁が、また一つ広がったように感じました。
絵本の素晴らしさは、短い言葉と絵の中に、読み手それぞれの想像が広がる余白があることでしょう。同じ一冊でも、子どもが気づくことと、大人が心を動かされるところは違います。幼い頃に楽しんだ物語を、大人になって開いてみると、以前は気づかなかった優しさや寂しさに出会うこともあります。
絵本を読む時間は、年齢を超えて、自分の心と向き合う時間でもあるように思います。
そして、読み聞かせには、人の声で物語を手渡す温かさがあります。ページをめくる間、言葉の響き、同じ絵を見つめるひととき。その場をともにすることで、一冊の本が、人と人をつなぐものになります。
子どもが何に驚き、どこで笑い、どんな場面に心を寄せるのか。大人もまた、その反応から教えられることがあるでしょう。国立で読み聞かせを続けておられる妻の友人の活動も、そうした豊かな時間を地域の中に育てているのだと思います。
「緑のゆび」という名前を眺めていると、小さな芽を大切に育てる手を思い浮かべます。子どもたちの好奇心や夢も、急いで答えを与えることなく、その子なりに伸びていくのを見守りたいものです。絵本との出会いが、いつか心の支えになったり、新しい世界へ踏み出すきっかけになったりする。そんな未来を想像すると、嬉しくなります。
お店を後にしてからは、皆でネパール料理を頂きました。そして、些少ではありますが、ネパールの甚大な災害被害への支援募金に協力させて頂きました。
ネパールでは、2026年8月26日、中国との国境付近を起点とする大規模な土石流・洪水が発生しました。日本赤十字社の9月3日の発表によれば、住宅に加え、道路や橋、水力発電施設などが大きな被害を受け、多くの地域が孤立しています。被災地では、安全な飲み水や避難場所、医療、衛生用品、生活必需品などが必要とされ、暮らしを取り戻すための継続的な支援が求められています。
遠い国の災害であっても、そこには私たちと同じように、家族を思い、日々の暮らしを営んできた方々がいます。子どもたちには、楽しみにしていたことや、これからかなえたい夢があるはずです。突然、その日常が失われることのつらさを思うと、胸が痛みます。
おいしく料理を頂いた国の人々の暮らしに、少し心を寄せる。私たちにできることはささやかですが、その気持ちを募金という形にさせて頂きました。被災された皆さまが、一日も早く安心して過ごせるようになることを願ってやみません。
絵本の中で、まだ出会ったことのない誰かの気持ちを想像すること。そして、遠く離れた土地で困難に直面している人を思うこと。この日の二つの時間は、私の中で、静かにつながりました。
