東京の桜も、いよいよはらはらと散りはじめました。
そよ風に舞う花びらのなかに佇むと、満開の華やぎとはまた異なる、どこか心を打つ風情が、この頃の桜にはあります。
4月5日、国立市内を散歩しておりましたら、丁度、一橋大学兼松講堂において入学式が挙行されていました。桜の開花が早いので入学式まで持つか心配でしたが、なんとか美しい花びらが迎えてくれたようです。一橋大学のHPによれば兼松講堂は、「株式会社兼松商店(現兼松株式会社)から創業者兼松房治郎翁の遺訓に基づき寄贈を受け、伊東忠太の設計により1927年(昭和2年)8月に創建されたロマネスク様式の建物です。平成12年には国の登録有形文化財に選ばれました。2003年4月から2004年3月にかけて本学卒業生等の募金により大改修が行われ、耐震、空調などの諸機能を備え、かつお化粧直しの行き届いたシックな内装へと見事な変貌を遂げました。」とあります。学ぶ者はもとより、全ての訪れる者の心を温かく包んでくれます。この一橋大学から徒歩圏に住める喜びに感謝しています。特に、春の桜の季節と秋の銀杏並木の景観は見事です。今年も散りつつある桜を愛でる時間をもらえたことに、もう一度、感謝いたしました。
4月6日、乃木坂にある政策研究大学院大学の構内から眺める桜は、都心にありながら、どこか落ち着いた佇まいを見せてくれます。
わが国を代表する研究拠点であるキャンパスにいて、研究談義の合間に眺める春の景色は、たとえ様なく心を豊かにさせてくれる空間であり、ひとときでありました。
その足で、国立新美術館へ。
ゆったりと広がるドーム空間の中でランチをいただき、少し苦いコーヒーを楽しみながら春の光を身体に頂きました。
ゆるゆると歩みを進めます。
急ぐ理由もなく、ただ季節に身を委ねる時間はセカンドライフならではです。
誠に贅沢なものであります。
4月7日、家族で毎年訪れます立川の国営昭和記念公園も見事です。
こちらはまさに春爛漫、桜の余韻を残しながら、園内ではチューリップ畑が満開を迎えていました。
色とりどりの花々が整然と並び、春の光を受けてやわらかく揺れる様は、まるで大地そのものが微笑んでいるかのようです。桜の淡い彩りと、チューリップの鮮やかな色彩が響き合い、季節の移ろいを静かに語りかけてくれます。
広がる空間と、ゆったりと流れる時間。そこには、日常とは少し異なる、穏やかな世界が広がっております。この美しい風景が、これからも変わらず続いてほしいと願わずにはいられません。
そして同時に、こうした平和で穏やかな日常を次の世代へと手渡していくことです。それは、戦後を生き、昭和という時代を経験してきた私たちの、静かな責務でもあるのではないかと思います。桜の花びらが風に舞い、チューリップが静かに色を添える春のなかで、子や孫へと「恒久平和」という名のバトンを確かに渡していくことを、そっと心に誓いました。
