地方創生の最前線に学ぶ ―豊後高田市・国東市の挑戦―

ふるさと財団(一般財団法人地域総合整備財団)の「地域再生マネージャー事業」に採択された、大分県豊後高田市・国東市による広域連携事業の現地調査のため、両市を訪問しています。

ふるさと財団は、全国の地方自治体が取り組む地域活性化や地方創生を支援する団体であり、地域が抱える課題の解決に向けて、外部専門家を派遣する「地域再生マネージャー事業」を実施しています。この制度は、専門家が一方的に助言するのではなく、自治体や地域住民、事業者とともに知恵を出し合い、地域資源を活かした持続可能な地域づくりを実現することを目的としています。

今回、豊後高田市と国東市が共同で取り組む事業は、日本遺産「鬼が仏になった里『くにさき』」を核として、地域の歴史・文化・自然を活かした高付加価値の観光商品を開発し、地域経済の活性化と関係人口の創出、さらには移住・定住へつなげようとする意欲的なプロジェクトです。チャーター型ツアーの造成、地域ガイドの育成、地域産品の開発、ヨーロッパ市場を視野に入れたインバウンド戦略など、多彩な取組が計画されています。

地域再生マネージャーとして参加しておりますが、実際には助言を申し上げる以上に、多くのことを学ばせていただいています。

まず、国東市の松井督治市長、そして豊後高田市の佐々木敏夫市長にご挨拶をさせていただきました。お二人から共通して感じたのは、「地域の未来を自分たちの手で切り拓く」という強い覚悟と、地方創生への情熱でした。その姿勢からは、地域経営に対する責任感と未来への希望がひしひしと伝わってきました。

豊後高田市は、「住みたい田舎ベストランキング」で14年連続ベスト3に選ばれ、昨年度は全国第1位となりました。また、人口の社会増や出生率の改善など、全国から注目を集める成果を挙げています。

その背景には、単なる移住支援策ではなく、「子育て」「教育」「雇用」「観光」「地域文化」を一体的に進める総合的な地域経営があります。

午後には、豊後高田市を代表する「昭和の町」を視察しました。

かつて昭和30年代の商店街を再生したこの町は、現在では「ニューレトロ」という新しい価値を加えながら進化を続けています。昭和を知る世代には懐かしさを、若い世代には新鮮さを提供し、多くの観光客が行き交う活気あるまちとなっています。

単に昔を保存するのではなく、時代に合わせて価値を磨き続ける姿勢は、地域づくりそのもののあり方を示しているように感じました。

今回の現地調査では、日本遺産を活用した体験型観光や地域ガイドの育成、地域産品のブランド化、チャーター型ツアーによる二次交通の課題解決など、地域資源を「地域の収益」へと結び付ける多くの工夫を確認することができました。それぞれが独立した事業ではなく、「地域全体の価値を高める」という共通の理念のもとで連携していることが、大きな強みであると感じます。

夕方には天候も回復し、関係者の皆様との情報交換では、地域への熱い思いを伺うことができました。楽しいひとときを過ごしながらも、地方創生に携わる皆様の情熱に、大いに刺激を受けました。

私自身、近年は「公共施設から地域経営へ」「人を大切にする地域経営」を提唱してまいりましたが、豊後高田市と国東市の挑戦は、まさにその実践例であると感じています。

人口減少時代に必要なのは、施設や制度だけではありません。地域への誇りを育み、人を育て、人が挑戦できる環境を整え、人と人とのつながりを大切にすることです。その積み重ねが地域の魅力となり、交流人口、関係人口、そして定住人口へとつながっていきます。

明日も引き続き現地調査を行います。

豊後高田市・国東市の取組からさらに学びを深め、岡山県をはじめ全国各地の地域づくりへ活かしていきたいと思います。

 


■関連リンク

鬼が仏になった里「くにさき」|日本遺産ポータルサイト

 

昭和の町・豊後高田市公式観光サイト – 豊後高田市ホームページ

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