すっかり夏模様の暑さです。
5月30日、早くも今年初の麦わら帽子の出動となりました。
ふと思い立って、愛車IQコンセプトを飛ばして、瀬戸内市まで足を延ばしました。
まず向かったのは、瀬戸内市邑久の大雄山山上にある奈良時代に報恩大師が創建した備前四十八ヶ寺の一つと伝えられる古刹、天台宗大賀島寺(おおがしまじ)へ参拝いたしました。瀬戸内市の観光案内HPによれば「戦国大名・宇喜多家や岡山藩主・池田家の尊崇が厚く、ゆかりの古文書や用具などが伝わっている。安永10(1781)年再建の本堂は、県下でも最大級の規模を持ち、瀬戸内市の重要文化財に指定されている。」と紹介されています。驚くほどの本堂の大きさに息をのみました。また、広い境内から眼下を眺めますと瀬戸内市が一望できました。
大雄山を降りて、次は岡山県牛窓ヨットハーバー近くにある、あなご料理の名店「青島(あおしま)」さんに参りました。牛窓を訪れるたびに立ち寄りたくなるお気に入りのお店で、かつては娘や孫たちとも何度か訪れた思い出の場所でもあります。
牛窓は「日本のエーゲ海」と呼ばれる美しい景観で知られていますが、その穏やかな海が育む海の幸もまた格別です。牛窓で水揚げされたガラ海老の唐揚げをいただきながら、瀬戸内海を眺めながらノンアルコールビールで一息。続いて名物の穴子重を味わいました。
瀬戸内海の穴子は、潮流の速い海域で育つため身が締まり、上品な脂とやわらかな食感が特徴とされています。ふっくらと焼き上げられた穴子と秘伝のたれが絶妙で、まさに牛窓ならではの味覚です。
ひとり静かに海を眺めながら食事を楽しむ時間は、まさに「孤独のグルメ」です。
贅沢というより、自分自身を整えるための大切な時間のように感じました。
食後は牛窓海岸へ移動しました。
日陰を探して木陰に腰掛けますと、瀬戸内海から吹く風が心地よく頬をなでていきます。5月末とは思えない暑さでしたが、海辺の風はどこか優しく、波の音とともに日常の慌ただしさを忘れさせてくれました。
牛窓は古くから「風待ち・潮待ちの港」として栄えた町です。江戸時代には朝鮮通信使も立ち寄った歴史を持ち、港町としての面影が今も残されています。ゆっくりと流れる時間のなかに、長い歴史が静かに息づいているように感じます。
帰り道には、牛窓の名物店「きびや」さんへ立ち寄りました。
地元では知らない人がいないほどの老舗和菓子店で、私のお目当てはもちろん好物の「オリーブ羊羹」です。
牛窓は日本におけるオリーブ栽培発祥の地の一つとして知られています。明治時代から続くオリーブ栽培の歴史は、今では牛窓のまちの風景そのものとなっています。その地域資源を活かして生まれたオリーブ羊羹は、上品な甘さのなかにほのかな香りが感じられ、牛窓らしさが詰まった逸品です。
きびやさんは、和菓子づくりを通じて牛窓の文化や暮らしを伝え続けてこられました。お店に伺うたびに、どこか懐かしく温かな気持ちになります。
そして今回も、女将さんから県北で採れた自家製のふきの煮付けをお土産にいただきました。
こうした何気ない心遣いが本当に嬉しく、地域に根差したお店の温かさを感じます。
海があり、歴史があり、人の温もりがあります。
牛窓を訪れるたびに、瀬戸内で暮らすことの豊かさを改めて教えられます。
派手さがあるまちではありませんが、そんな牛窓に、このたびうれしいニュースが飛び込んできました。
幕末から近代にかけて木材流通などで栄えた商家の屋敷「旧服部家住宅」が、国の重要文化財(建造物)に指定される見通しとなったとのニュースです。海沿いに広がる約2,500平方メートルの敷地には、主屋や長屋門、蔵など七棟が残されており、往時の牛窓の繁栄を今に伝えています。国の文化審議会が5月22日に文部科学大臣へ答申し、指定されれば県内の建造物としては10年ぶり、58件目の重要文化財となるそうです。
風待ち・潮待ちの港として栄えた牛窓の歴史と文化が、こうして次世代へ受け継がれていくことは本当に喜ばしいことだと思います。
美しい海を眺めながら美味しいものを味わい、長い歴史と文化に彩られたまち並みや海岸では、人とのふれあいがあり、心が和みます。
そんなかけがえのない幸せが、牛窓には確かにあります。
■関連リンク
大雄山大賀島寺|スポット・体験|【公式】瀬戸内市公式観光サイト 瀬戸内市の旅
【公式】瀬戸内市・牛窓のあなご料理専門店|ランチ・ディナー・テイクアウト【青島】
きびや菓子舗|グルメ・おみやげ|【公式】瀬戸内市公式観光サイト 瀬戸内市の旅
新たに1件の建造物が国の重要文化財に指定されることになりました – 教育委員会 報道発表資料 – 岡山県ホームページ(文化財課)
