新庄村の春をめぐる

小泉八雲の暮らしを題材にした、NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」が最終回を迎えます。年度末が近い、3月17日、JR伯備線の特急やくも松江行きに揺られ、新見を越えて鳥取県・根雨駅まで参りました。そこから中国五県で最も小さな村、新庄村へ向かい、有志の皆さまとむらづくりワークショップに参加、コーディネートを担当しました。

車窓から眺める高梁川の景観は、前回の雪景色とは一変し、春の息吹が満ちていました。桜のつぼみもふくらみ、村全体が衣替えの準備にいそしむ季節です。

 

100歳を迎える“大ジイジ”が象徴する、長寿の村

新庄村の魅力は、自然だけでなく人の温かさにもあります。 この5月に100歳を迎える“大ジイジ”は、今も脚立にのぼって庭木を剪定されるほどお元気。昼食を済ませると、スタスタと娘さんの運転する車へ向かわれる姿に、思わずこちらも背筋が伸びました。 その娘さんが私の先輩だったことにも驚きつつ、親子で元気に暮らす姿が“メルヘンの村”の幸福感そのものだと感じました。

 

若者ワークショップも無事終了、そして未来への議論へ

初回の若者ワークショップも無事に終了。最前列には岡山大学農学部出身の女性が座り、終始エネルギッシュに参加してくれました。若い力が村に吹き込む風のようで、こちらまで元気をもらいました。

そして今回のワークショップでは、村の未来をつくるために、参加者の皆さんから 21 の大切なテーマ が挙がりました。 どれも新庄村らしい、温かくて前向きで、そして“本気”の願いばかりです。

 

新庄村の未来をつくる「チャレンジプラン」コンセプト

第一次ワークショップで挙がったテーマは以下の通りです。

  • 地域づくりや事業の資金を確保したい
  • 地域の魅力を生かした新商品を開発したい
  • 地域を支える人材や担い手を増やしたい
  • もち米・うるち米の生産量を増やし、新商品づくりにつなげたい
  • 全国にファンがいる道の駅にしたい
  • 地域の魅力を伝える商品を増やし、広く紹介したい
  • 地域全体を公園のようにくつろげる場にしたい
  • 若い世代が「行ってみたい」と思える道の駅にしたい
  • スマート農業を導入し、農業の効率化を進めたい
  • ヒメノモチを成長産業として継続するため、独自の米価設定で差別化したい
  • 今の良さを残しながら、このままでよいのかを考え続けたい
  • 変えるべきものと守るべきものを見極める“しなやかな進化”を大切にしたい。
  • 生産・加工・販売を分担する地域会社的な仕組みで、農業と道の駅を連携させたい
  • 村全体で価値を生み出す“地域商社モデル”への挑戦。
  • 移住者にも魅力ある農地を生かし、地域ごとに農地を集約しながらスマート農業と並行して進めたい
  • 農地の未来を守り、担い手を増やすための新しい農業の形。
  • 労働集約型の仕事や産業を、地域の強みとして育てたい
  • 人の手でしかできない仕事を価値として磨き上げる。
  • 大多数に頼らず、少人数でも実現できる仕組みをつくりたい
  • “できる人が、できる範囲で”動ける柔軟な地域運営。
  • 地域の知的財産を活用し、価値ある資源として育てたい
  • 歴史・文化・技術を“資産”として未来へつなぐ。
  • 地域ブランドをIP化し、発信力と価値を高めたい
  • 新庄村の魅力を“ブランド”として世界へ届ける挑戦。
  • 声の大きい意見に流されず、地域にとって本当に良いことを自分事として考え行動できる地域にしたい
  • 主体性と対話を大切にする“自走する村”へ。
  • 人にしかできない仕事に人手を集中し、AIに任せられる作業は積極的に活用したい
  • テクノロジーと共存する、未来型の村づくり。
  • 地域のことをまずよく知り、理解を深めることを大切にしたい
  • 学び続ける姿勢が、地域の未来を強くする。
  • 民間の感覚を持ったリーダーに地域を担ってほしい
  • スピード感と柔軟性を持つ、新しいタイプの地域リーダー像。

 

春の新庄村は、未来へのスタートライン

今回の旅とワークショップを通して、新庄村は“日本で一番小さな村”でありながら、誰よりも大きな夢を持っている場所だと改めて感じました。

自然の美しさ、人の温かさ、そして未来を語る力。 そのすべてが、春の光のようにキラキラと輝いています。

いよいよ具体的な社会実装に向けた政策シナリオの作成に入ります。

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