場所は東京の乃木坂、六本木に位置する政策研究大学院大学(GRIPS)。
5月25日に開催された第3回「インフラマネジメント研究会」で、話題提供の機会を頂きました。
恐縮にも、研究会会長であり、わが国の交通政策・国土政策研究を牽引されてきた家田仁先生が、進行とコーディネート役を務めてくださいました。
まさに感謝、そして感激の時間でありました。
会場には、大学研究者をはじめ、公共交通事業者、通信事業者、建設会社、コンサルタント、そして国土交通省など、多方面の第一線で活躍される皆さまが集われました。
こうした場に身を置きますと、改めて、日本の社会基盤を支えているのは、現場で着実に努力を積み上げてこられた専門家の皆さまの力なのだと実感いたします。
今回の話題提供では、前半に「財政政策と自治体予算」、後半に「岡山県下自治体における地方創生と公共施設マネジメントの実践」についてお話をさせて頂きました。
全国の自治体では、人口減少と高齢化が進む中で、道路、橋梁、上下水道、学校、公民館、公共住宅など、あらゆる公共施設の老朽化が大きな課題となっています。
しかし現実には、財源も技術系人材も限られています。
「全部を残す」ことも難しいなかで、単純なダウンサイジングだけでは地域のライフラインは持続できません。いまこそ、新たな財源に向けた議論と市民が知恵を絞って“地域の未来をどう設計するか”という視点が必要だと思います。
インフラマネジメントでは、単なる土木技術や財政論にとどまらず、単なる施設の維持管理を超えて「まちの将来像」を一体的に計画する必要があります。
地域の暮らしを未来へつなぐ、“社会そのもののデザイン”なのだと、私は確信しています。研究会では、参加者の皆さまから極めて示唆に富むご意見を頂きました。
専門家同士の率直な意見交換は、やはり刺激的であり、大いなる学びとなりました。
余談ながら、自己紹介の際、私は高校の大先輩であり、「新幹線の父」と称される十河信二翁のお話を少しさせて頂きました。すると、JR系研究所の方から、「十河元国鉄総裁のお孫さんは、現在、産業技術総合研究所におられ、友人ですよ」との情報を頂きました。
不思議なご縁というものを感じ、なんとも嬉しい気持ちになりました。
戦後復興の時代、日本は“未来への投資”として、新幹線や高速道路、港湾、ダム、上下水道といった社会資本整備を進めてきました。その恩恵を享受しながら、私たちは暮らしを営んできました。そして今、私たちの世代は、その大切な資産を「どう次世代へ引き継ぐか」を問われています。
インフラを守ることは、人の暮らしを守ることです。それは、地域を守り、命を守り、未来を守る仕事です。研究会を終えて、岡山への帰路、東京駅の新幹線ホームで十河元国鉄総裁の記念碑の前に立ち、改めてその責任の重さと尊さを感じました。
もう少しだけ、社会のお役に立てるよう、学びを止めず、現場を歩き続けたいと思います。
