第4回倉敷市宿泊税検討委員会

第4回倉敷市宿泊税検討委員会が、5月11日、新設された倉敷市「防災危機管理センター」で開催されました。いよいよ答申に向けた議論も終盤に入り、委員会としての論点整理がかなり具体化してまいりました。

今回は、先月実施された宿泊事業者との意見交換会の内容を踏まえながら、「宿泊税を何のために導入するのか」「集めた財源をどのように活用していくべきか」について、踏み込んだ議論が行われました。

委員からは、宿泊税は観光客だけではなく、出張などで訪れるビジネス客も負担する制度である以上、「観光客向けのハード整備だけに偏るべきではない」との意見が出されました。

たとえば、交通アクセスの改善、案内表示の充実、災害時の情報提供、多言語対応、歩いて楽しめるまちづくり、夜間観光の魅力向上など、“倉敷を訪れるすべての人に役立つ施策”へ活用していくべきではないか、という視点です。

また、「倉敷らしさ」をどう守り育てるかという議論も印象的でした。

倉敷美観地区をはじめとする歴史・文化資源は、長い年月をかけて地域住民と事業者が守り続けてきた財産です。宿泊税を単なる財源確保で終わらせるのではなく、「地域の価値を未来へつなぐ仕組み」として設計していくことが重要である、という認識が共有されていたように感じます。

 

さて、近年、全国各地でこうした宿泊税導入の動きが広がっています。

岡山市では4月28日、検討委員会が「1人1泊200円」とする答申案を承認し、今後、市長へ答申が行われる予定です。また、5月1日には香川県琴平町でも同額の宿泊税導入が望ましいとする答申が提出されました。さらに香川県内では、小豆島町や土庄町でも導入検討が進められています。

観光地間競争の時代に入り、地域の魅力向上や受入環境整備のための安定財源をどう確保するのかは、多くの自治体に共通する課題となっています。

その一方で、宿泊税は「来訪者から新たな負担をいただく制度」である以上、使途の透明性や納得感が極めて重要です。何に使われ、地域にどのような効果をもたらしたのかを、市民や事業者、宿泊客へ丁寧に説明し続ける姿勢が求められるのだろうと思います。

 

ところで、今回の委員会は、倉敷市本庁舎敷地内に新設された「防災危機管理センター」を会場として開催されました。

これまで倉敷市役所では慢性的な会議室不足が続いておりましたので、新しい施設での開催は大変快適でありました。議論はかなり熱を帯びましたが、落ち着いた環境のなかで、丁寧に意見交換を行うことができました。

この「防災危機管理センター」は、平成30年7月豪雨災害の経験を踏まえ整備された、倉敷市の新たな防災拠点です。防災対策本部機能や情報通信機能なども充実しており、有事の際には市民の命を守る中核施設となります。

一方で、平時には今回のような会議や研修などにも活用されており、“防災の日常化”という視点が随所に感じられる施設です。

 

さてさて、宿泊税の議論も、いよいよ大詰めです。

観光振興、地域経済、市民生活、そして豪雨災害を経験したまちです。

持続可能なまちづくりに向けて、それぞれのバランスをどう取っていくのか。

倉敷らしい、丁寧で品格のある制度設計に向けて、最後まで真摯に議論を重ねてまいりたいと思っています。

トップに戻る