東京での活動でした。
5月20日、東西線九段下駅を降り、一ツ橋の日本教育会館へ向かいました。
2014年9月23日の「人を大切にする経営学会」創設以来、理事を拝命して14年目となります。岡山大学を退官したこともあり、以前から「そろそろ若い世代へバトンを渡したい」とお願いしておりましたが、このたび交代となりました。
もっとも、当日の午前中に開催された理事会は、別件の予定が重なり出席できませんでした。少し心残りではありましたが、これもまた一つの節目なのだろうと思いました。
思い返しますと、設立大会では、「人を大切にする経営とは」と題したパネルディスカッションに、学識の立場から登壇させて頂きました。
竹内利明先生(電気通信大学特任教授)の進行のもと、
近藤宣之先生(株式会社日本レーザー代表取締役)、
青谷洋治先生(株式会社坂東太郎代表取締役)、
西浦道明先生(アタックスグループ代表パートナー)、
小野寺俊孝先生(東京弁護士会弁護士)、
そしてコメンテーターとして、錦戸典子先生(東海大学教授)、早田豪先生(当時・中小企業庁)という、大変豪華な顔ぶれでありました。
あれから長い年月が流れましたが、「人を大切にする」という理念は、ますます重要性を増しているように感じます。
午後には、長い間お世話になりました御礼を申し上げたく、学会事務局へ伺いました。
坂本光司学会長はじめ皆さまは、理事会に続いて別の会議に入られておりましたので、スタッフの皆さまへご挨拶だけ申し上げ、失礼いたしました。
よく、
「なぜ、そんなに動き続けるのですか」
と尋ねられます。
そのたびに、
「たいしたことなど出来るはずもありませんが、誰かのお役に立ちたいから動いています」
とお答えしています。
多くの人に助けられ、支えられ、学ばせて頂きながら歳を重ねて参りました。
ならば、自分もまた、少しでも誰かの力になれれば、それで十分なのだと思っています。
その後は徒歩で神田へ向かいました。
拙書『詳説 労働金庫』の著者4名がそろい、労働金庫連合会の中堅幹部の皆さまとの意見交換会が開催されました。
2時間にわたり、大変熱のこもった議論となりました。
終了後は、「神田いづもや」にて反省会です。
刺身、天ぷらなど豊富な料理が並ぶ名店ですが、特に鰻は絶品でした。
実は、この鰻には、「人を大切にする経営学会」を支える代表的企業のひとつ、設立大会で一緒に登壇させて頂いた、株式会社坂東太郎さん(創業者:青谷洋治会長)が提供されています。坂東太郎さんは、北関東を代表する外食企業ですが、単に店舗展開で成功した会社ではありません。「社員とその家族を幸せにするために会社がある」という理念を真正面から掲げ、実践してこられた企業です。
外食産業は、一般に人手不足や厳しい労働環境が課題とされます。
しかし同社は、「人を使う」のではなく、「人を育てる」経営を地道に積み重ねてこられました。
坂本光司先生が提唱される「五方よし」の思想である、社員、取引先、お客様、地域社会、そして株主を大切にする経営――を体現する企業として、全国的にも高く評価されています。美味しい鰻を頂きながら、こうした企業の存在そのものが、日本社会の希望なのだと、しみじみ感じ入りました。
そして、一日の最後は、新幹線で岡山へ。
熱い議論と、多くのご縁と、美味しい鰻の余韻に包まれながら、帰りの車中は、ぐっすりでありました。
私のなかで、誠に記念すべき一日でした。
