名古屋遠征:学びを見つめ、思い出の街を歩く ―椙山女学園大学の外部評価と、懐かしい名古屋の二日間―

愛知県にある椙山女学園大学情報社会学部の外部評価委員会に出席するため、8月24日、名古屋を訪れました。

情報社会学部は、2024年度に開設された新しい学部です。情報デザイン学科と現代社会学科の二学科で構成され、情報技術と現代社会への理解を結び付けた文理融合型の教育を特色としています。AIやデータサイエンスを学ぶだけではなく、それらを人間や社会のためにどのように生かすのかを考える教育には、今日的な意義があります。

大学に到着すると、まずキャンパスをご案内いただきました。教育施設や学生の学修環境を実際に見ることで、事前に資料を読んだだけでは分からなかった大学の雰囲気や、学生を育てようとする思いを感じることができました。

その後の評価委員会では、大学と学部の理念、教育課程、学生支援、社会連携などについて詳しい説明を受けました。続いて、外部評価委員三人からそれぞれ質問し、大学・学部の皆さんと議論を重ねました。

椙山女学園が掲げる教育理念は「人間になろう」です。情報技術が急速に進歩する時代だからこそ、単に技術を使いこなすだけでなく、それを人間と社会の幸福のためにどう役立てるのかを判断できる人材を育てることが重要です。とりわけ、女子大学がデジタル、AI、データサイエンス分野で活躍する女性を育成することには、大きな社会的意義があります。

委員会では、三つのポリシーと教育課程の整合性、文理融合教育の実質化、PBLや地域・企業連携による学生の成長、学修成果可視化システム「Sugi-PORT」の活用、新設学部としての魅力の発信などについて意見を交わしました。

外部評価は、大学の良い点と課題を外から指摘するだけの仕事ではありません。大学が自らの教育を振り返り、その特色をさらに磨き、次の改善へつなげるための対話の機会です。優れた教育活動を「何を実施したか」だけでなく、「学生がどのように成長したか」という成果として示すことが、これからますます重要になると感じました。

こうして、緊張感のある第1回外部評価委員会を無事に終えました。

その夜は、愛知学泉大学時代の懐かしい仲間たちが集まってくれました。長い年月を経ても、顔を合わせれば、たちまち昔の時間に戻ります。近況を語り合い、当時の思い出に笑い、久しぶりに楽しい時間を重ねることができました。

振り返れば、愛知で過ごした日々は、私が大学教員として教育や研究に向き合ってきた大切な原点の一つです。今回、新しい学部の教育を評価するために名古屋を訪れ、かつての仲間と再会できたことにも、不思議なご縁を感じました。

翌朝は、栄のホテルを出て、かつて住んでいた大須の街へ向かいました。

朝の名古屋を歩き、商店街を抜けて大須観音へ。昔と変わらぬにぎわいの中にも、新しい店や若い人たちの姿があり、街が時代に合わせて少しずつ姿を変えながら、その個性を守り続けていることが伝わってきます。

大須観音にお参りした後は、昔よく通った喫茶店へ入りました。名古屋といえば、やはり喫茶店のモーニングです。懐かしい店内で朝のひとときを過ごしていると、かつての日常が静かによみがえってきました。何げなく歩いた道、通い慣れた店、仲間と交わした会話。記憶とは、場所や味と結び付いて、長い年月を越えて戻ってくるものです。

モーニングをいただいた後は、再び歩き始め、白川公園へ向かいました。緑の中を抜け、名古屋市美術館で作品を鑑賞しました。大学での議論とは異なる、静かに作品と向き合う時間です。人を育てる教育も、心を豊かにする芸術も、すぐに数字で成果を測ることはできません。しかし、こうした積み重ねこそが、人の感性や判断力を育て、社会の厚みをつくっていくのだと思います。

美術館を後にして、さらに御園座から広小路へ。名古屋を代表する通りを歩きながら、名古屋駅を目指しました。二日間でずいぶん歩きましたが、不思議と足取りは軽く、懐かしい街の風景を一つひとつ確かめるような道のりとなりました。

新しい学部の未来を考え、昔の仲間と再会し、かつて暮らした街を自分の足で歩く。今回の名古屋行きは、仕事のための出張でありながら、私自身の歩みを振り返る旅にもなりました。

大学も街も、人も、立ち止まっているように見えて、少しずつ変化を重ねています。大切なのは、変化の中でも守るべき理念や記憶を失わず、次の世代へとつないでいくことなのでしょう。

大学を評価するために訪れた名古屋で、気がつけば、私自身の歩みを静かに見つめ直していました。

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