守永運輸株式会社の会長であり、玉島商工会議所会頭を務める守永一彦氏の旭日小綬章ご受章をお祝いする会に出席いたしました。8月1日の良き日、会場の倉敷国際ホテルには、倉敷の経済界をはじめ、県内外から守永氏と親交の深い多くの皆様が一堂に会しました。盛大でありながら、守永氏のお人柄を映すような温かさに満ちた祝宴となり、長年にわたって地域産業の振興と玉島の発展に尽くしてこられたご功績を、出席者全員で称えるひとときとなりました。
守永氏が受章された旭日小綬章は、国家または公共に対して功労のあった方のうち、社会のさまざまな分野で顕著な功績を挙げた方に授与される「旭日章」の一つです。旭日章には、大綬章、重光章、中綬章、小綬章、双光章、単光章があり、今回のご受章は、守永氏の長年にわたる産業振興への貢献が高く評価されたものです。
守永氏が率いてこられた守永運輸株式会社は、ご尊父である節夫氏が昭和28年に玉島で設立し、昭和37年に法人化して以来、玉島に本社を置き、一般貨物の輸送に加え、工作機械、重量物、精密機器などの運送、搬入、据付、工場内のレイアウト変更、工場間移設までを一貫して担う、専門性と技術力の高い企業です。水玉事業所では、完成機や仕掛品の一時保管、管理、輸送、据付を総合的に提供しており、地域の製造業を足元から支える重要な産業インフラとして、その役割を果たしてきました。特に大型機械や精密機器の輸送と据付には、高度な技術はもちろん、徹底した安全管理、現場での判断力、そして荷主企業との厚い信頼関係が不可欠です。守永運輸の歩みは、単に物を運ぶだけではなく、企業の生産活動と地域の雇用を守り、玉島から全国へ産業の価値を届けてきた歴史であるといえます。
さらに特筆すべきは、守永氏が企業経営者として培った経験と知見を、玉島全体の未来づくりへ惜しみなく還元してこられたことです。玉島商工会議所会頭として、「生まれ育った玉島のために尽くすのが使命」との思いを胸に、地域企業の経営支援、事業承継、次世代の担い手育成、若者が参画するまちづくりを力強く進めてこられました。その代表的な取り組みが、2021年に始まった「Tamashima Innovation Meeting(玉島と企業の未来を考える会)」です。若手経営者や企業後継者が、専門家の講義を通じて経営を学ぶだけでなく、自社の将来と玉島の未来について共に考え、議論する場として発足しました。学習の場を一過性の講演会で終わらせず、若い世代が自ら地域で行動するための人材育成へと発展させたところに、大きな意義があります。
ここでの議論は、若手経営者を中心とする「タマシマリバイバルプロジェクト」へと結実しました。玉島商工会議所がプラットフォームとなり、地元企業、青年会議所、商店、神社、高校、大学などを結び、玉島の歴史的な建物や文化を守りながら、そこに新しい交流とにぎわいを生み出そうとする取り組みです。具体的には、かつて地域の人々に親しまれ、閉館後は空き家となっていた銭湯「みなと湯」を、学生や若者が自由に集えるサードプレイスとして再生する構想が進められています。古い建物を単に保存するのではなく、若者の学びや挑戦、世代を超えた交流を生み出す「未来資産」へ転換しようとする試みです。備中玉島みなと朝市では、玉島高校の生徒による昭和レトロをテーマにしたセルフ写真館、作陽学園高校の生徒による羽黒会館での音楽ライブ、玉島商業高校の生徒による「みなと湯」を舞台とした謎解き宝探しなども実施されました。高校生や大学生を単なるイベントの参加者としてではなく、地域づくりの企画者、実践者として迎え入れている点に、この活動の大きな価値があります。また、羽黒神社をはじめとする縁結びの名所や飲食店などを紹介する「縁結びスポットin玉島」の作成、玉島テレビ放送と連携した「元気です!商工会議所」の放送など、地域の魅力を内外へ発信する活動にも積極的に取り組んでいます。歴史、文化、商業、観光、教育、情報発信を個別に扱うのではなく、一つの地域経営として結び付けていることが、玉島商工会議所のまちづくりの特色です。
さらに、守永氏は、地元の金光学園においても理事を務め、教育の振興と学園運営に尽力しておられます。企業経営や商工会議所活動にとどまらず、後進の指導と次代を担う人材の育成に力を注いでこられました。若者の可能性を信じ、学びと挑戦の機会を用意し、その成長を長い目で見守る姿勢は、金光学園での教育への貢献と、玉島商工会議所における若手経営者や学生の育成に共通しています。地域の持続的な発展を支えるのは、建物や設備だけではなく、郷土への誇りと責任を持って行動する人です。守永氏は、企業、商工会議所、学校法人という異なる立場から、「地域経営とは人づくりである」ことを実践によって示してこられました。
そして今回、守永氏が何より大切に語られたのが、ご家族への感謝でした。自分一人の力で今日を迎えたのではなく、仕事や地域活動を理解し、長年にわたり陰に陽に支えてくれた家族があってこそ、ここまで歩んでくることができたとの思いが、率直な言葉で伝えられました。企業経営の重責を担いながら、商工会議所会頭や学校法人の理事として地域と教育のために奔走する日々は、決して平坦なものではなかったはずです。その歩みを最も身近なところで見守り、共に苦労を重ねてこられたご家族への深い感謝が、守永氏の言葉の一つひとつに込められていました。今回の旭日小綬章は守永氏個人に授与されたものですが、その背景には、ご家族をはじめ、会社の役員・従業員、取引先、地域の皆様との信頼と協働の積み重ねがあります。
祝賀会の結びでは、守永運輸株式会社の新社長に就任されたご長男、守永康彦氏が、ご家族と会社を代表して挨拶に立たれました。父・守永一彦氏への深い敬意と感謝、会社を支えてこられた皆様への御礼、そして受け継いだ守永運輸をさらに発展させていく決意が込められた、誠実で堂々とした、実に見事なご挨拶でした。そのお姿を拝見し、守永一彦氏が次代へ託されたものは、会社の事業や経営基盤だけではないことを改めて感じました。
仕事に対する誠実さ、安全を第一とする姿勢、従業員を大切にする心、取引先との信頼、地域社会への責任、そして周囲への感謝です。事業承継とは、社長の役職や会社の資産を引き継ぐだけではなく、長い年月をかけて培われてきた信用、技術、企業文化、経営者としての志を次の世代へ手渡すことです。守永康彦新社長のご挨拶は、守永運輸の新たな時代の幕開けを力強く印象づけるとともに、守永一彦氏が家庭と会社の双方において、頼もしい後継者を育ててこられたことを物語るものでした。ご家族に支えられて歩んでこられた守永一彦氏から、次代を担う守永康彦氏へ。祝賀会の結びは、これまでのご功績を称えるだけでなく、守永運輸の理念と地域への思いが次世代へ確かに受け継がれていくことを実感させる、温かく希望に満ちたものとなりました。
守永運輸が大切な機械や設備を安全かつ確実に目的地へ届けてきたように、守永一彦氏もまた、企業の信用、地域への責任、人を大切にする精神、そして玉島の未来を、次の世代へ確かに届けてこられたのだと思います。その一貫した歩みこそ、旭日小綬章にふさわしいご功績ではないでしょうか。守永一彦会頭、旭日小綬章ご受章、誠におめでとうございます。玉島と岡山県の産業振興、まちづくり、教育、人材育成に尽くしてこられたご功績に、改めて深い敬意を表します。また、長年にわたり支えてこられたご家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。
守永一彦氏のますますのご健勝とご活躍、そして守永康彦新社長のもと、守永運輸株式会社が創業以来培ってきた信用と技術、地域と共に歩む志を受け継ぎ、さらに発展されることを心よりお祈り申し上げます。
